ミニエー弾の窪みの理由と現在の弾丸との違いとは?

弾丸の形状について質問です。

ミニエー弾は底部をスカート状に窪ませ発射ガスによってライフリングに食い込ませるとのことですが、現在のライフル弾の底部は真っ平らの認識です。

これは薬室に装填された段階で既にライフリングに食い込んでいるので窪ませる必要がないということなのでしょうか?

 

薬室に装填された状態でライフリングに食い込むのは、薬室のスペックに弾薬が適合していない可能性があります。

通常は装填された弾頭はライフリングに接触しません。

装填位置の弾頭から銃身の接触面までの隙間は「フリートラベル・クリアランス」や「ブレットジャンプ」と呼ばれます。

また現代でも底に窪みのある弾丸(ホローベースブレット/HB)が使用されています。

しかしミニエー弾とはそれぞれ目的が異なります。

 

.45ACPとミニエー弾(右) Photo via thetruthaboutguns.com

ミニエー弾の主な目的は以下の二つです。

 

【射程距離の延長】

弾の底に窪みを設けると発射時のガス圧で弾が広がり、弾と銃身の隙間からガスが逃げるのを防ぎます。

ガス圧の弱い黒色火薬を使用していた当時の銃は無駄なくガスを利用することが重要で、これにより射程距離が大幅に延長されました。

 

【装填速度の向上】

マズルローダー(前装式銃)は銃口から弾を装填しますが、ライフリングのある銃身では弾が途中で詰まりやすく、装填が困難です。

そこでミニエー弾はライフリングのある銃身でもスムーズに通過できる直径で製造され、楽に装填が可能でありながら発射時にのみライフリングに食い込ませることに成功しました。

この発明により銃の射撃性能が向上しました。

 

 

.45ACPホローベースブレット photo via nereloading.com

一方、現代ではガス圧の高い無煙火薬を使用し、銃口から弾を装填する必要もなくなりましたが、現在では命中精度を向上させる目的でホローベースブレットが使用されます。

基本原理はミニエー弾と同じで、ライフリングにしっかり食い込むことで弾丸を回転させ、直進性がより確実になります。

同じ口径の弾頭を比較したとき、弾頭重量が重くなるに比例して弾頭の全長が長くなりますが、底に窪みを設けると軽い弾頭重量でも長い全長を維持でき、ライフリングとの接触面が広がることでライフリングの食い込み力が向上します。

また少ないパウダー量で装填しても、必要な弾速を維持できるようになると同時に、弾の重心が前へ移動することで命中率向上が期待できます。

これはハンドガンの射程距離ではあまり違いが見られませんが、距離が離れるとより顕著になります。

 

ただ一方でデメリットもあり、ホローベースブレットはジャケットの無いキャストブレット(鉛100%)で利用されることも多く、この場合、消費弾数が多いと熱で溶けた鉛が銃身に固着するレッディングが起こりやすくなります。

またマグナム弾などガス圧の強い弾薬で使用すると発射時に弾の底が裂けることがあり、最悪の場合は弾が前後に分離してリング状の鉛が銃身内に残されることもあります。

関連カテゴリー:弾薬

 


 
 
 
 
 
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