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粉末を固めたフランジブル弾とは?

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鉄粉を固めて作った弾薬とは、どんな弾薬でしょうか?

今回は特殊な訓練用弾薬「フランジブル弾」について解説します。

フランジブル弾とは?

フランジブル弾は金属(タングステン、銅、錫、亜鉛など)の粉末を固めて成型し、銅のジャケットやナイロンなどでコーティングされた弾頭です。

※フランジブル(Frangible)とは「もろい」「壊れやすい」という意味です。

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例えば、DFA社の「Delta Frangible Ammunition」と呼ばれる弾薬。

この弾薬は1992年に開発されたデルタ社の製品で、一般向けではなく警察などの訓練用として開発されました。

鉛を含まない金属粉を高圧で固めたものにナイロンコーティングが施されており、着弾時に粉末状に砕けるため跳弾や貫通による危険がありません。

シンターファイア .40S&W Photo via ammunitiontogo.com
シンターファイア .40S&W Photo via ammunitiontogo.com

シンターファイア(Sinterfire)社製のフランジブル弾「リュデュースド・ハザード」は、銅や錫の粉末を焼いて固めた弾薬です。

鉛を使用していないため屋内射撃場で使用しても鉛の粒子が空気中を漂うことがなく、健康面や環境面で安全性の高い弾薬です。

跳弾や周囲の物を破壊する可能性が少ないことから、航空機内、船内、化学工場、原子力発電所など特殊な環境でも有効な弾薬です。

しかし、フランジブル弾は壊れやすいとはいえ人間や動物の皮膚を貫通するため訓練時の人体への直接射撃は危険を伴います。

訓練時のフランジブル弾を使用した射撃対象は訓練用ターゲットに限られます。

フランジブル弾の欠点

フランジブル弾は一般的なホローポイント弾と比較するとストッピングパワー(相手を行動不能にする力)や貫通力に劣るため、一般的に対人用としては使用されません。

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また、リボルバーでは構造上、撃発後に弾頭が銃身後部のフォーシングコーンに接触し、その際の衝撃でフランジブル弾が割れるリスクがあります。

その他、高初速の弾薬では発射時の衝撃により割れる恐れがあるため、形状を保つための高強度なコーティングやジャケットが必要とされます。