同じ口径の弾なのに弾頭重量が違うのはなぜですか?

faq_qネットで弾丸の通販サイトを見て、同じ規格の弾丸の弾頭重量に販売ブランドそれぞれに差がある事、 例えば9パラなら115grの弾頭重量の物が多く、そのほかに115grより軽い物、 逆に重い物が販売されていました。この弾頭重量の差はどういった理由で存在するのでしょうか?

faq_a弾頭重量は、弾頭が持つ能力や特性に大きな影響を与えるからです。

火薬の燃焼により発生する圧力(ガス圧)が同じである場合、軽い弾頭は弾速が速く遠くへ飛び、逆に重い弾頭は弾速が遅く飛距離も短くなります。弾速の速い弾は着弾までの時間が短くフラットな弾道となる一方、遅ければ着弾までの時間が長く、放物線の大きな弾道となります。弾道がフラットで着弾までの時間が短いほど命中精度には良い影響を与えるといえますが、重い弾の方が貫通力とストッピングパワーがあります。

次の表は同じ条件の弾薬で弾頭重量のみが異なる場合の比較です。

軽い弾重い弾
弾道フラットより大きい放物線
ドロップ(弾頭の落下量)小さい大きい
横風耐性弱い強い
ガス圧不足の状況下での信頼性低い高い
貫通力低い高い
サプレッサーに使用する場合不利有利
リコイル(反動)弱い強い
弾速速い遅い
最大到達距離長い短い

 

「弾頭が重い=弾速が遅い」ではない

次に、実際にどれほど差があるのか比較します。

9mmPara(FMJ)の距離0~200ヤードでの弾速 (フィート/秒)
MV255075100125150175200
115gr (Winchester)1190112510711027990958929903878
123gr (Lapua) #431923013121225115110901040999964933905
123gr (Lapua) #431917710501007970938909883859836814
140gr (Sellier&Bellot) Subsonic1001968938911886863842821802
147gr (PMC)980965941919900883867851837
147gr (Federal)960930910890870851833816799

ここでは重さ155~147グレインの弾頭を比較しています。

弾頭重量が重くなるほど弾速が落ちる傾向があります。

しかし、ガス圧の差により、ウィンチェスターの115グレイン弾頭より重いラプアの123グレイン弾頭の方が速いのが分かります。また、同じ弾頭重量で同じメーカーであるラプア製123グレイン弾頭が、製品モデルによって弾速が異なっているのが分かります。

 

弾頭の飛翔スピード(初速)と弾頭重量のバランスで弾の特性が変わる

9mmPara(FMJ)の距離0~200ヤードでのエナジー (フィート – ポンド)
ME255075100125150175200
115gr (Winchester)362323293270250234220208197
123gr (Lapua) #4319230470410362324296278254238224
123gr (Lapua) #4319177301277257240226213201191181
140gr (Sellier&Bellot) Subsonic311291275258244232220210200
147gr (PMC)314299287275264255245237229
147gr (Federal)295280270260250237227217209

続いて、重さ115~147グレインの弾頭が持つ運動エネルギー(マズルエナジー)を比較しています。

あまり大きな違いが見られませんが、弾速とエナジーを総合的に比較すると、速度と重量が比例して大きいほどパワーが強いことが分かります。また、スピードの遅い弾頭でも、弾頭が重ければ、軽量高速の弾と同等のエナジーを維持しているのが分かります。

仮に2種類の異なる弾頭重量の弾があり、その2つのマズルエナジーが同一であった場合、弾頭重量が軽い弾の弾道は放物線が小さく、逆に重い弾の弾道は放物線が大きくなります。つまり、ターゲットのまでの距離が離れるほど重く遅い弾はより大きな角度で弾頭を撃ち出す必要があるのです。

 

使用目的に合わせ、スピードと重量の総合的なバランスを得ることが重要

弾頭重量にベストの重さというのは無く、目的と使用する銃に適した弾を選択することが重要となります。また、その銃に適した弾を探すには、データの数値だけでは判断しかねるため、実際に様々な弾を撃って確認することが確実な方法です。

ここまで9mmParaを例に比較しましたが、9mmParaのようなピストル弾は弾頭重量による影響の差は比較的小さいものの、長距離を狙い精密さを要求されるライフル弾では、弾頭の選択は非常に大きな問題となります。

高い精度を得るためには、弾頭重量だけでなく、初速、バレルの長さ、ライフルピッチ、火薬の燃焼スピードなど、全てのバランスが整っていることが重要であり、弾頭重量の選択はあくまで精度や破壊力などの目的を達成する過程で必要な要素の一つだといえます。

 

貫通力は状況次第

よく誤解されがちなことですが、数値上では弾速と弾頭重量が大きくなるほど弾頭の持つ運動エネルギーは大きくなります。そのため、運動エネルギーが大きければ貫通力が高く、ターゲットに与えるダメージが大きいとされます。

しかし、実際は少し違います。

弾頭は運動エネルギーを無駄なくターゲットに伝えた場合のみ最良の結果が表れます。弾頭はあまりに高速だと着弾の衝撃により粉砕されるフラグメンテーションが起こり、弾頭の運動エネルギーが拡散されてしまいます。また、フラグメンテーションを起こさない場合でも、着弾時には弾頭の先端が潰れますが、この潰れ方が大きいと弾頭の面積が増加し、貫通力が低下することがあります。このため、「ライフルで200mから撃つよりも、400mから撃った方が貫通力が高かった。」・・・という現象が起こることがあります。

 

 


 
 
 
 
 
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